狭い道を前から杖を突いたおじさんが歩いてきた。
おじさんは路肩に身を寄せるように、ボクは車でゆっくりとすれ違うのだが、
その時「すみません」とおじさんの声が聞こえた。
別の日、狭い道をボクは自転車で行ってた。
前方の十字路に男性の後ろ姿が見える。
一方通行ではあるが左右が見えず車が来る危険なところである。
自転車の速度を落とし、男性とほぼ同時に横断した。
追い越し際に男性を見ると白い杖を突いた、あのおじさんだった。
おじさんは常に済まない気持ちになられるのかも知れないが、
阿呆な自分のつぶやきは何なんだ。
昔々、あの通りの上をガソリンカーが走っていたころ。
下のトンネル通路を抜けてきたランドセル背負った小学生の女子3人が、
道端の野花を摘んだりして下校している。
何故かボクは自転車を停めた。見ていると仲良しに見えた少女の一人は目が不自由だった。
「記憶の風景」にいつか書(描)こうと思っていたが、果たせなかった。
大きくなられただろうが、素晴らしい3人に変わりない。