相当片付いてはきたが、まだまだ。40年の物と汚れの堆積に美しさは微塵もない。
小物を動かしていると、オルゴールがポロンと鳴って止んだ。
クマさんのオルゴールのゼンマイが一瞬息をついたのだ。
映画「オペラ座の怪人」の始まりのようだ?
と再びネジを巻いた。
机の上もきれいになった。
当時読んだ芥川賞作家の小説に”机本来の姿にもどった”という一節があった。
書名、作者も思い出せない。
そこから中学生の頃の使っていた机に水の入った瓶、筆、画用紙、鉛筆、土を入れた瓶にピストルの銃口を突き刺し、突き刺し赤ちゃんの表紙のライフ誌を置いて描いたこがある。「机-75」。その机は今はないけれど、広く風景とはそういううものである。
アトリエの机
机-75(2)F100 パリの蚤の市で買ったセイクスピア全集、ノルウェーのナイフ、
机-75(1)F100 弟が組み立てたラジオ、S子さん。