服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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橋の下

橋の下から拾われてきたなどの話は、子供心には残酷かつ立つ瀬もない果てしなく悲しいだけの想像の映像であった。
この絵のような立派な橋の下もなかろうが、パリノートルダム横のセーヌの橋の下でさえ小便臭かった。臭いも恐ろしさへの要因にはなるんだろうが、そこに棲む息づく生き物の気配が恐怖への入り口のようだ。絵画、文学、映画でもそこのところの表現に心血を注ぐが、容易でない。ただ音楽においては意外と驚かされる。
子供のころ橋から飛び降りてうつぶせに死んでいる人を見たことがある。漠とした戦後の悲しさである。