2024-01-12 雲帯 昭和31年、1956年。 お宮の境内でガキたちが群れて遊んでいる。その中の一人であるボクは飛行機雲を見つけ「空を見ろ」と叫ぶ。遊びを止めガキたちはそろって空を見上げる。スーパーマンでも見るように飛行機雲を追った。あの感覚は今でも全く変わらない。夢や希望や憧れが入り乱れて一つになる。まだ見ぬ距離感。川の向こう、海の向こうの謎も少しは解けたけど、まだ解消しない距離感はいくらでもある。そのすべてが過去から続く距離ということになるよう。 一人の人間の感覚、個性みたいなものの距離の震源地。