服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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アオサギ無惨

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 夕暮れだからか、野焼きのせいか、風景が霞んでいる。 影のないグレーのレースのカーテンが幾重にも下りたような空間。 水墨画とは直結させたくないクリアーなグレー。これもまた捨てがたい自然の妙 味。自然の名解答。 クリーク公園にに車が一台。 若い兄ちゃんが操縦席からぼんやり前方を凝視している。 ボクは歩いて公園に進入。クリークの向こう岸にアオサギが例の如く不動に立っている。 夕暮れはアオサギの時間と空間であったろうに残念。 ボクも不動にアオサギと退治する。その後方よりノイローゼ気味?の兄ちゃんが じっと見ているに違いない。 そこへパトカーが巡回してきたが、そのまま帰ったいった。 グレーのとばりが次第に濃度を増していく。静かだ。鏡のクリーク。 色がなきようで、深いトーン。トーンもこれまた時間とイコール。 秋は夕暮れ、濃密な此岸の現出。となれば、早朝もどれほどの彼岸か、である。 しかし、今のところ、早起きは脳裏、行動に限りなくゼーロ。 にわかに公園の駐車場がにぎやかになる。数台の車がこの時間に侵入してきた。 釣り竿担いだおやじたちが公園に入っていくまた、、その後ろから子供連れの親 たちがグレーのとばりをかき分け入っていく。 アオサギが飛びたつ。 時間外闖入者たちは、溶けるように公園のとばりの中に消えた。彼らは幽霊か、 それともおいしい時間の達人か。 そうやって、一日は終わるのだが、彼らが公園内から再び現れたかどうかは知らない。 あの、兄ちゃんもノイローゼじゃなかったかも知れない。 一瞬の密度と数日のはかなさ・・。 あのアオサギがいなけりゃありえないお話。