服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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障害者の性

佐賀の同人誌「ペン人」30号をいただく。 顔ぶれも年々変わっていったようで、初版の「廃夢」1号(1980年)のころからの投稿者は現在の編集長・中島虎彦さん一人である。 ボクもちょっと関わったことがあるが、地道に26年も続いている。中島さんの「障害者の性」は興味深い。 中島さん自身も車椅子の障害者であり、中島さん自身の問題でもテーマでもあるようだ。 近年、障害者の性について書かれた出版物から様々の告白、現状を抽出し、おもしろおかしく言及されている。 第21回佐賀県文学賞入賞作品「無限」(車椅子作家・池田英之)や乙武クンを終生のライバルとする「お笑い!バリアフリー・セックス」のホーキング青山などなどがびっしり列記してあり、書くモノがなくなった健常者の文学に対しここには書くモノがたくさんあるようだ。 それに乗じて興味本意、フリーク的に見てしまうのだが、その底にあるものは計り知れない。 中島さんの文体は当初より、一貫して強靱、痛烈で、作家としても益々飛躍されるでだろう。 また、氏の短も   ”キスをして煙草の名前当てられるほどのひとりの夜は更けてゆく”  ”ダビングをくりかえすたび劣化するビデオのようなあなたや私””動かない指でもついていればこそペンを引っかけうたなどを詠む”     ”寝ころんで好きなところをぱらぱらとめくられるような歌でありたい” などのように型にはまらずたのしめる。