服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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舟さんの問いかけ Ⅰ

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舟一朝・「三角布プロジェクト」「現代美術と史跡の共生」 2007年3月4日 佐賀城跡において行われた。一日だけの展覧会である。完成エスキースは舟氏の頭の中にあり、命綱をつけての設営は、エスキース通り、30分で完了した。巨大な台形の石垣は長年待っていたかのように三角布を受け入れた。 ”古城よ 一人 なに 忍ぶ~”。今までにも国内、海外と色んな場所で三角布アートを展開している。時にゲリラ的、またあるときはベトコン的に神出鬼没な参入、展開もある。今回はお役所に再三通い許可を得られたと聞く。門前払いのところを辛抱強く説得し「1日間」を勝ち取ったと、よろこんでイイのか、その逆なのか。通常、数年を掛けて交渉し許可を取るという大プロジェクト作家・クリストもいるのだが・・。クリストは申請、折衝もすでにプロジェクトであると言う。舟氏もクリストの延長線上にはある人だ。ただ、予算上、一人で行動、実行されるだけに、作品の軽量化、携帯化はやむを得ず、紙、藁、布という素材に絞られるのかも知れない。美術館を発表の場としていたころには、金属のレリーフやオブジェの作品も多かった。なによりも、基本的に流れているテーマは、室内であろうと野外であろうと、作品と空間との関係にある。物が在ること、空間が在るとういう相関にある。絵画の基本源基でもある。クリストもそうであるように、モノをおくことや人工物を加えることでその空間にズレを与え、改めて意識することであろう。「環境」と言うことでもある。四季の移ろいも空間のつかの間のズレなのであるが、日常が日常過ぎるが故に見えにくくなる。人工物、あるいは(人が)そこに石ころや草花や便器であろうと闖入させれば、人為的な意志をもってしまう。