服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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風のうつせみ

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ガラス戸を開けたら、秋風にレースのカーテンがなびいて、家の一番奥のドアがバタンと閉まった。眼にはさやかに見えねども・・。ミカンのアオムシも数が減った。大きくなったのは何処かへ隠れサナギになったのだろう。もう越冬するしかない。籠のオオカマキリは数日、何も食べてない。籠の天井に張り付いたままじっと獲物を待っている。もう直に虫たちの夏も終わる。後手後手になってた定婆ちゃん家の屋根に上がって、瓦の修理。上手くいったかは、台風が来てみないとわからない。屋根のてっぺんに股がるも天下太平の世には見えず。セミの抜け殻だけが木の葉にしがみつく。リンゴ園から嫁いだ若奥さんが、実家から貰ってきたと、おすそ分け。もう大分リンゴ園には行ってない。リンゴの絵も描いてない。ないないづくしの屋根ん上。夜、キム・ギドクの「うつせみ」を見ていた。ワルイ男とさびしい女。非現実と現実。寺は心の拠りどころか。抜けガラに内包する現実。抜けガラは幽霊でもない風のような気配をもった形なのだ。「この世が夢か現実かは誰にもわからない。(キム・ギドク)」。夢かうつつか幻か・・秋だねぇ・・