服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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野見山 暁治 展

天神に再オープンした「画廊 憩ひ」に行く。
店主のNさんもお元気そうで、広く立派に復活した画廊にあめでとう。
最初が「野見山 暁治 展」である。
版画展ではあるが、野見山 さんの佐賀での個展は初めてではないか。
画廊の方向性がちらりと見える。
今回の個展の為に創作された40種類の銅版画と10点余りの和紙のお面が気ままに並ぶ。
自由にありのままを感じ表現されてきた。
いつかどこかで見たり感じたことのあるような風景がおおらかに色と形になっている。
たとえばかつて、どこかの美術館で見た「階段で遊ぶ風」とか題名からして、してやられたと思わさられるのだが、そこが感性、確かに階段の周辺にはそんな気配がある。というよりトトロの世界のように野見山さんにはあたりまえに見えるのかもしれない。
作者の感性は、いつも自由で無邪気である。
かつてY新聞紙上、義弟の田中小実昌さんの連載エッセイにもたのしい挿絵を描かれていた。
飾りっ気のない文章にも独特の味があり、エッセイ集も多数。本の装丁までされる。天は二物・・どころではない。
90歳になられるというが、雲の上人ではなく、ボクもボクなりに遊べたらと思うのでした。