服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

tomatotiger8.sakura.ne.jp

亀冶郎さん

イメージ 1
歌舞伎ファンのN子さんに誘われて、博多歌舞伎座へ。
市川亀冶郎さんの「通し狂言 天竺徳兵衛新噺」千秋楽。
亀冶郎さん出づくめ、七変化十変化の早変わり、アドリブ、宙吊りとサービス満点。
花道の席は往き交う役者さんのすね毛や息づかいまで見てとれ、観劇気分がアップする。
歌舞伎と言えば「見え」。
動きが一瞬静止し、指を反らし、かっと目を見開く。
写楽の役者絵が浮かぶ。
顔面力、目力、首力、手力、反り指が、さらに舞台を盛り上げる。
非日常的であればあるほどお客は喜び、動物的であればあるほど、「上手い」という。
それを役によって怪人二十面相のように使い分ける。
身体、筋肉が露出するモダンダンス、前衛舞踏にしても非なる人間、動物的方向へと向かう。
人間と動物のはざまにまだ見ない、拒否もするけど、見て見たい共感の人間(感性)が潜んでいるのであろう。
千秋楽とあってカーテンコールまであった。
花道に亀冶郎さんら主演者が勢揃い。角から隅まで見えを切った。
市川右近さんが市販の「ウコンの力」をぐっと花道席に差し出し、普段の声にもどって「ありがとうがざいました」とここでは役を降りてた。
亀冶郎さんは緞帳の中に消えるまで役者として見えを切り、お客をよろこばしていた。