服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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キューポラと炭坑

「福岡はあいにくのお天気です。これも春へ近づく雨ですね・・」と、ちょっと気のきいたフライトアテンダントのアナウンスがまだ、脳裏にある。
この繰り返しが重要である。ニュートラルでもあるのだろう。
これから先の熟成の準備期間。
ここを過ぎれば一気に細胞も汗もブレインも自然任せに加速するのみ。
大上段から「そうやって半世紀が過ぎた」と云ってみたくなる。
キューポラのある街」「にあんちゃん」もオールロケである。
時代の空気、臭いまでして、そこにいるのは自分だと思えてきたりする。
二つの映画は昭和30年代のキューポラの街・川口と炭鉱の街・唐津が舞台になっており、問題もテーマも全くと言っていいほど同じである。
それでも人間は強く前へ歩こうとするのである。
最初から最後までそれなのに、それぞれに新な答を探そうとする。
差別、偏見はを口にする時、人はヒューマンに高揚するが、口に出す程に偽善な自分も見えて来る。
他方、人間はくじけずにいいだけの動物的なDNAをもっているはずであると。
前へ歩き、キツネもライオンも時に立ち止り、そして振り返る。
中には横歩きするカニさんだっているんだから。