服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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皿屋 川本太郎「酒膳

激しい雨。
夕方、<皿屋 川本太郎「酒膳」展>のギャラリーいばへ行く。
クロサワ映画のめし屋の酒膳のような白い徳利やちゃわんが並ぶ。
「おやじ、銭はないけど、何か食わしてくれ」
「わかってるよ、芋の子しかないけど、さっさと食ったら出てってくれ」
「ついでに一本付けてくれ」
芋の子をつまみに一杯やれば、桑畑三十郎といったところか。
浪人や町人のたまり場のめし屋の風景が見えてくるような酒膳器である。
使ってこその皿や飯ちゃわんであろうが、飾ってみても、他の品々とわだかまりなく、仲よしになるようだ。
気取りといったものすらないように自然にあろうとする食器たちである。
食器から風景が見えてくるという自然さがイイ。

その夜、いばにて太郎さんの個展を祝っての宴が開かれた。
外は土砂降り、内は乾杯、桜はなきじゃくら。
雨ん中を下駄突っかけてお姉さんお兄さんが駆けつけ三杯。
太郎さんの地産池消的旬の山の味があるかとおもえば、
朝から仕込んだというS山嬢のてんこ盛りのごちそうあり、おいしかったです。
それに、「食べて食べてよ」のいば社長の水炊きまで、ごちそうさんでした。