服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

tomatotiger8.sakura.ne.jp

草茫々通信10号<ひとり>生きる

イメージ 1
 
  暮れにOさん経由で”草茫々通信”10号が届いた。
Oさんと映画の話から来年の方向せいなどについて談笑後、
一気に呼んだ。
”特集<ひとり>を生きるー障害・人間・文学ー”と今回は相当きつい内容である。
中島虎彦さんは「ペン人」のころから知っており、中島さんの”煙男ブログ”では交信していた。感想など送ると、いつも屈託のない喜んだ返信が来た。
そのころ亡くなられ、ブログも閉じられた。
中島さんは自分をいたぶりながら障害を面白がるようなところが、読む方もおもしろかった。それとは180度も540度も逆の境遇を笑い飛ばされていたように思う。
ボクの友人で障害の妹さんをもつNさんも中島さんのブログのファンだった。
こともあって小松義弘さんの中島さんが上梓された”障害者の文学”についての分析のところから読み始めた。
描き手の皆さんも相当に苦労されているのがわかる。
そんな中、泣きそうにおもしろく読んでしまったのが、草茫々主人がインタビューされている「羽根裕之さんに聞く」であった。
 諸説ある中でーそもそも「おもしろい」という言葉じたい、たとえば村の寄りあいで一本のろうそくが村の長老顔を照らしている。そのように、何かおもしろいことをいう人がいると、みんないっせいにそちらのほうを向く。すると顔(おもて)が光に照らされ白くなるから「おもしろい」というのだ-とは柳田国男の説であったー(多田道太郎著 遊びと日本人)ーとおもしろい。
深刻なテーマではあるけれど、本にしたり、考えてみようという人たちが身近におられることで、すんなりと本書を読んでしまうのであった。
本屋さんの郷土本コーナーにもおいてあり、是非手にして呼んでほしい一冊です。
全248ページ 700円。