服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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人生とスクリーン

ベルイマンの撮影ドキュメントを見た。「ベルイマン監督術 Behind Saraband」2003年、スウェーデン制作。「サラバンド」のメーキングである。ベルイマン監督を見るのは初めてのこと、このとき85歳という。難解深刻な映画の舞台裏は学芸会の練習でもしているような和気あいあいの風景。全てが丹念な手作りで手とり足とりの演技指導と閃きの演出に美術、照明が、さもあるかのごとき現実を創り出す映像世界。閃きの天才というか、アトリエで描いてるピカソとダブル。撮影カメラを前に実演していたピカソの映像も貴重だ。ベルイマンが湖畔をバックに「・・でも、私は自分の映画をほとんど見ません。それは、私の人生そのものだからです。」と歩いて画面から消えて終わるのだが、その湖畔はスクリーンだった。その4年後今年の7月30日に故人となる。続いてベルイマン監督の「夏の夜は三たび微笑む」を見る。製作年 1955年 製作国 スウェーデン 原題 SOMMARNATTENS LEENDE 時間 109分 公開日 1957-02-01~ 監督 イングマール・ベルイマン 背後にメーキングのベルイマンを感じながら、しかし難解さのない、筋仕立てのたのしい作品だった。