服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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舟さんの石積みドローイング

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夕方、舟さんの個展を見にギャラリーIBHへいく。昨年のギャラリーあーとエルでの個展ではカラフルな彩色で石積みが人(キリスト)に見えたのだが、今回のドローイングは彩色が押さえられ、サイズも葉書の半分ほどのかわいらしい40数点の展示となっている。石そのものも形があり、立体物である。その石を積み上げていくだけで、別の大きな立体物が生まれる。ピラミッドしかりである。造形物を町や自然の中に置くことでその状況や環境をとらえ直そうと試みる舟さんならではのアートからすれば、済州島で舟さんが遭遇した海や山の石積みは原初的な人々の願いの形であったのだろう。形は信仰や神がかり的に生じ創られるものでもある。原初的に造形することを見直そうとする氏のポジション、また逆には石積みに造形することを問われた瞬間とでもいうのは昨年の個展と合わせ見えるようなのだが・・。また、大きさではかなうものではなく、最小の画面にしたというのも計算とエスプリからであろうし、ギャラリーIBHのスペースのたのしみ方も見えるようだ。何をやってイイか解らず羅列する若い人たちへの最小のアンチテーゼではないのか・・。