服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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瀬戸口朗子個展

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「瀬戸口朗子個展(G憩ひ)」心模様というのだろうか、いろんな時の移ろいを気配のように淡く捉えてある。抽象であっても具象のようである。抽象へ向かうでもなく背後にはかなり明確な心象がある。見えるものからさらに説明を排除していこうとする。心はたやすく言葉や色で解きほぐせるものではない、という抵抗でもあろう。スティングのShape Of My Heartに重ねると淡い色彩の中にひたむきな女心を感じる。平面画であろうとしながらフラットでもスーパーフラットとでもない。平面もつまるところ分子や素粒子の成層である。ポロックは精神と肉体の呪縛、渇望をドロッピングによって超えようとするのだが、そこも見える地平でもなかった。ポロックの概念と様式は20世紀の思想として残るのだが、ポロックは心も空気(気配)をもモノとして具体化していたのである。まだ見ぬものは作家も解らずの時間の中にあるもののよう。雨だれであったり、卵形であったり自然が作り出す原初的なかたちである。素粒子を内包する核でもある。輪郭でも外側でもないミディアム(中間物)とダビンチは言う。アートと生活の間での行為とラウセンバーグは言う。絵の具がくっ付いただけのもの、とマチスは言う。言いかえれば、絵を描く者の最大のたのしい部分である。瀬戸口さんも今そこいらを通過しているのだろう。フラットの作品も3点あったが、焦らず心の思うままにやっていってください