服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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芳年

美術館も確かこの辺にあるはずなのに、その気配さえない。・・と再び別通路からショッピングタウンに入った。すると目の前に芳年の絵の旗が立っていた。ここか?これじゃ判らない。ショップや飲食店が並ぶ端っこの小さなドア。恐る恐る入って暇そうに座っているチケット売りのお姉さんに聞いたよ。「芳年展はここですか」と。美術館じゃなくて画廊だな。しかし、お客は熱心に食い入るように作品を見ている。通りすがりの客じゃなく、わざわざ見にきた人たちなのである。十数名が入れ替わり立ち替わりでゆっくりゆっくり見れる。浮世絵最後の絵師。彫り師の発想、技術の奮闘が見てとれる。いかに大衆に喜んでもらえるかの見せる絵画である。特に国芳の弟子であった芳年は職人である以上にデザインのセンスが現代に通じていている。怪奇、残酷ものは芳年の真骨頂である。日本語の上手な黒人さんが専門用語を駆使して日本人に説明しているのには、まいった。笑えた。浮世絵がいかに国際的であるかである。また若い女性客が多いのも最近の現象。男よりも情報に敏感で好奇心も旺盛のようだ。