服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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シルクロードふたたび・・・大塚清吾写真展

イメージ 1
イメージ 2「大塚清吾のシルクロード写真展」エスプラッツ2F 。
自転車で出かける。ペダルのあたりがガシガシかわいた音を出す。
油が切れているのだろうと・・自転車屋ではなく画材店に立ち寄ってからエスプラッツへ。
2Fのスペースがすべてシルクロードの写真で埋まっている。
かつて大塚さんが、NHK特集「シルクロード」で写真班として同行したときの写真と井上靖さんとの取材写真の数々、200点超。
極一部ではあろうが一写真家(フォトジャーナリスト)の展覧会でこれだけの数の写真を見るのは他にない。
部分的にはこれまで何度と見させてもらってはいるのだが、今回シルクロードの全貌が見え、地理的にも辺境未踏の地を旅されたかとおもうと圧倒された。
夜の巷で御一緒する大塚さんとは別のもう一人の大塚さんのようでもあるが、これが大塚清吾さんの世界である。
他の人たちの企画展も数多くこなされているだけに、展示方法には抜け目がない。
写真のほかに山ほどの書籍(本人著)、資料、地図を配し判り易くしてある。
今回、目を見張ったのが絵画でいう120号ぐらいの大きさの布に引き伸ばし印刷された(およそ10点?の)写真である。
35ミリをデジタル化したとのことで、数100倍に拡大されても細部までくっきりとしており、大きいだけに一目瞭然というのがイイね。
敦煌 莫高窟」の「飛天」など色鮮やかなさまざまな壁画は絵画的にもイラスト的にも現代絵画に通じておりすばらしい。
「こんな勢いのある線を描ける日本の画家も少ないよね・・」とかつて大塚さんが言っていたのをおもい出す。
大塚さんのコレクションで「貝葉経典」も展示してあった。
葉っぱを平らに引き伸ばした板状の紙ににニードルで経文が押しつけてある分厚い紀元前の経典という。これだけでもスゴイ。
デジタル化で写真の保存、拡大、修正もはるかに可能になっている。
大塚さんはそれを自分でやっておられ、120号代の作品は読み込むのに30分かかるというデータで200GBには驚く。
ボクの外付け1個分。
写真家のS田さんによれば写真をやる人は多いけど、最後のプリントに関しては写真屋さんまかせが多いそうであり、希望者があれば作者をそばに置き色調整をしてあげたいとおっしゃってたことがあった。
微妙な部分に関しては絵でも写真でも作者が一番気になりこだわるところ。
そこまで判った専門家もなく、頼めば膨大な資金が居るし、自分でやるしかないとは大塚さん。
デジタル化は自分で操作出来てこそ思い通りとなり、安上がりでもあるということになる。
さて、大塚さんがシルクロードを通して伝えたいのは仏教であり、美術であり、アジア、日本へと伝わりつながる気宇壮大な歴史のながれなのであろう。
背景にあるのは永久の歴史である。これでも伝えきれないという歯がゆさが大塚さんにはあるにちがいない。
大塚さん1個の肉体と頭脳には、はるかなる時間と貴重なデータが記録されてる。
※詳しくは大塚清吾ホームページへ。
※掲載写真会場風景は作者の許可のもとに撮らしてもらったものです。受付嬢の前に立っている人が大塚さん。