服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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第60回「佐賀県展」

そのに足で美術館へ「県展」を見に行く。
お客が多いのには驚き。
「絵画」以前に比べると当然だが、現代絵画的傾向にある。
一年をかけたみなさんの力作をじっくりと見せてもらう。
パターン化した亜流の人たちは自分自身を壊すことからだろう。
要は県展ごときにめげず、続けることである。
ボクの審査ではかなり違った結果となった。
「彫刻」は従来の胸像、人体ばかりでなくおもしろい現代彫刻がおおかったのも今回の特徴。Cさんの息子さんの尖った金属の作品「organic sense 3」は異色だったが、入選止まり、惜しい。
そこへ、館内を見まわる代表のHさんとばったり。
以前、「(県展が)民間になっても大丈夫ですよ、やればイイんだから」と言われてたとおり、今のところうまくいってるようだ。
いつも笑顔、妥協もあきらめもしないHさん。
日本画」も粒ぞろい。
桜木淳子さんの柱に寄り掛かる男の子を描いた「ユメウツツ」は賞を逸しているが、わるくない。審査員には力み過ぎが不自然に映ったのであろうか。
「工芸」は有田の有名作家ずらりと並び、見ごたえがある。。
賞とは無縁に出品されているようで、他のジャンルとはちがった世界観のようだ。見渡して、「これは・・」と存在感に誘われ近ずいた作品「タンジールの海」は、(故)真子さんの息子・淳也さん作であった。
「書道」気合いの一作であろうが、これがやっかい。字が苦手だから、引いてしまうところがある。
工芸と同じく「これは・・」と見渡すが、びしっと響かない。
見えないのだろう。やはり苦手。
「写真」も凄い数である。出品者であろうか、年配の男女が多い。写真人口を物語る。その中でも吠えるムツゴロウのカップルの写真「二重唱」は納得。
大変な労作に違いない。まさしく”シャッターチャンス”。写真というテクノロジーの基本と応用が見事に結実している。
「デザイン」は相変わらずとも言える。
だれでも描けるし、描いたものは本来、イラストでありデザインなのだから。そこにむずかしさもあろうが、グラフィックデザイン(ポスター)としての伝達するインパクトがよわい。
緻密なペン画の立石さんの「混迷日本の牽引者」は繊細さ表現力などの総合力で群を抜いていた。
浦郷慧人「豚インフルエンザの悲劇」顔面が腫れあがり、鼻血、涙目、脂汗の豚さんが悲痛にもユーモラスである。多分Uさんの息子さんだろうが、
おやじさんのスタイルを踏襲しているようで(カエルの子・・)絵画的でもある。


疲れた。7部門ととにかく大量な作品数である。
佐賀県の文化芸術を現す展覧会でもある。
若い人たちが切磋琢磨する場所であってほしい。
だらだらとでもイイから貪欲に・・。