服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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宮崎大治郎個展

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宮崎大治郎個展(ギャラリーふじやま)を見る。
抽象色面の深紅のキャンバスが画廊空間を埋め、圧巻である。
若い息子さんが受付をしていた。感心なお子だ。
ソウルでの個展の第二弾というところであろう。ソウルの美術雑誌などにも取り上げられ、好評のようだ。
およそ40点の作品だけに画廊からも溢れている。
鏡の柱の鏡の上にも展示されてる。見るものの顔は作品で隠れるが、下半身が覗く。「あなたは何をみているのか・・??」との遊び心にも見え気に入った。
抽象作品群の傍らに風景や花の水彩画が数点あったのには驚かされた。
繊細な水彩画なのである。「描くんだ・・」。
20年ぐらい前に一度、外国の風景をスケッチした水彩画を見たことはあったのだが、抽象一筋の宮崎先生だけにね・・。
しかしその繊細さは一見、大胆にも見える抽象作品の時間的味付けになっている。
観る側に伝わるのは色彩形態ののみならず、味付けの諸要素にある。
こすり、にじみ、剥離、ぼかしなどが繊細に交錯する。
物の自然の生命の時間でもあるような経過を留めようとする。
また、それを裏付けるような水彩画でもあるということである。
和紙、韓紙のパネル張りに色鉛筆、ペン、ハケを交互に繰り返している。
日本画の手法にも似ている。
元来、そこいらにある色や道具は何でも使い、決まり切った道具や特別な物は使わない。特別なものは自分で作り出したり開発するタイプであり、規制遺品を使わないあたりにも現代作家の生き方を感じる。