服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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古寺探訪

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昨日Mさんが墓参りにいったと言ってた。
彼岸である。
普段は家人任せであるが、S子さんと二つのお墓を参った。
雨のお寺も墓地もしずかなもので誰もいない。
すでに他家の墓にはお花がお供えしてある。
直下の状況が状況なだけに、墓地の景色にも言葉が浮かばない。
全く別の次元の中にいるような孤地である。
墓石の前でS子さんはぽつりと言った。
「あなたもここにはいるの?」
虚空の空の上から下りてきたようなお訊ねである。
「・・・・・」
お葬式もいらない。
お墓にも入りたくない、というのが普段からのS子さんの心情である。
お寺の西側に今は使われていない朽ちた映画「羅生門」のような山門があるので見に行く。
屋根はもうきれいになくなっており、頑丈な柱だけがむき出しになっている。
この時期に崩壊の美などと言ってはいけないが、津々とこみ上げるような何かに高揚する。
奥さんを亡くされた和尚さんが本堂を箒ではいておられた。
和尚さんと決まったような挨拶をしてお寺を出る。
「そうそう、フライパンを買わなきゃ・・」とS子さん。
ホームセンターにまわり、そして、病院へと・・。

夜、山崎くんの個展の打ち上げを焼き鳥屋で閉店まで、そしてもう一軒。