服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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フェリーニの「道」

BSでフェリーニの「道」をやってた。
男女二人の大道芸人の切なくも人間味あふれる旅路。
かつて歯医者の故Sくんも「道」が一番好きと言ってたのをおもいだす。
白黒映画のよさが充満する。
すごく悲しいが、生きる強さを見せつけられる。
自転車泥棒」「ヘッドライト」「鉄道員」「恐怖の報酬」などの名画がならぶ。
カラー作品よりもモノクロの方がイメージがふくらむ。
動画より写真んの方が・・、写真よりも思い出、記憶の方がイメージが・・というように、情報が少なくなるにつれ感覚は研ぎ澄まされて、イメージを最大に喚起させようとする。
それをさらに逆のぼれば「絵」ということになる。
薄れかけた記憶、鼓動を喚起、歓喜さすエネルギーの源であろう。
情報があり過ぎるよりは、風前のともしびという状況、境地にあるほうが、本質は見逃さずにいける。
別れて、5年後男はサーカス団の一員としてある港町に来る。
女性が洗濯物を干しながら口ずさむすメロディーに男は立ち止り、「その歌をだれに教わった」かと問う。
芸人の女性(ジュリエッタ・マシーナ)が家の前で毎日トランペットを鳴らしてたが、5年前に家の前で亡くなったと・・。
あの「道」のテーマ曲である。
その直後、夜の浜辺で男 (アンソニー・ クイン)
は夜空を仰ぎ砂に泣き崩れる。Fin.