服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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2014グローバル韓日重鎮作家交流展

ラクル。奇跡であった。
 
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台風九州直撃で13日(月)当日は飛行機も欠航だろうと90%思っていた。
作品は持って行けず、オープニング不参加は今回は,致し方ない。
国際問題に発展することもなかろうあきらめかけていた。
こちらより気をもんで心配していたのは韓国の白(ペグゥ)先生であったようだ。
ところが福岡空港国際線ではほとんどの便が平常運行。「行ける!」。
時間通りBX141はとんだ、台風の余波で着陸を前に飛行機は上下左右に激しく揺れたが、無事、釜山金海空港に下りた。
 
白さの奥さんとその教え子の女性の2台の車に同乗。
レストランで昼食。
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そして釜山KBSで日本側の作品7点を展示をする。
重鎮数名を除いて韓国側の出品者が毎年変化している。
人集めのご苦労が感じられる。
作品も韓国画ふうのものから現代的なものまで様々である。
よく言えば垣根を越えて門戸を開いてあるのかも知れない。
政策においても藝術人の地位は高く、藝術が盛んな国には違いない。
ともあれ藝術を通しての交流であるということを忘れてはならない。
 
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6時より出品者や招待者が一同にそろいオープニングセレモニー。
日本側の出席者、6人。
金銀姫さの司会で今回は来賓挨拶も少なく手短に終わった。
韓国も徐々にあらゆる点で簡素化されてきたみたい。
歩いて近くの昨年と同じ鍋屋でみなさんとお酒とタコ汁ぶっかけ飯。
路地裏のカラオケで食べて歌って夜が更ける。
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白先生は26歳のとき単身日本に来て銀座で個展をされている。
近くて遠い時代にである。瀬木慎一さんが雑誌に評論をしている。
片言の日本語も助かるが、日本語の歌は上手である。
カラオケの場でも年々変化がある。
以前は「朝まで飲んで歌うぞー」の韓国側の勢いに圧倒されていたものだが、
最近はみなさん、「明日仕事があるから・・」などと白先生にお礼を言って
静かに帰って行かれ、気が付けば白先生と日本人だけになってしまっている。
 ホテルの部屋に入って感動。
窓からの夜景がファンタスティック、ナイスビューなのである。
超高層のビル群がイルミネーションをまとったように浮かび上がっている。
思わずスケッチブックを開いていた。
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"2014釜山ビエンナーレ"へ
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朝、みなさんとタクシーを飛ばして海雲台(ヘウンデ)の釜山私立美術館向かう。
ダイヤモンドブリッジからの海雲台の眺めは素晴らしい。
日本でもなかなか見られない超近未来都市へと変貌して行くようである。
釜山市立美術館は幼稚園児、小学生、中学生の団体で混雑しにぎわっている。
青少年たちが現代美術に触れている風景は未来でありうれしくなる。
固定観念もない好奇心の園児たちはピュアな眼差しで作品を見上げている。
先生が園児たちになにを話しているか判らないが、おりこうさんな子供たちである。
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その子供たちと先生、そして会場監視員の女性たちを見ているのもおもしろい。
いかに三者がアートに関わるのかという観点からだが、三位一体のバランスである。
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ビエンナーレトリエンナーレスケールの大きいことも加味されるが、その前に解放へと導かれる作品をの誘いがあるようだ。
特に真新しさもないが、押し付けじゃなく考え尽くされている。
一様、代表作家の面目は保っている。
ちょっとスケールアップした「アートグループ磁場」があっても不思議じゃない。
環境、人間、人種、時間の共有、絵画の言語化とその逆、日常対芸術、ゴミと芸術、
ミクロマクロ、改めて視点などのキーワードが覗く。
年々映像が増える傾向にある。
一律に比較できないが、映像表現が絵画表現を超えていると見えることもある。
絵画表現の枠の外とは思いたくない。
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目玉の平面作品があって、よく見ると瞳の中で男女が衣服を脱いで裸になってまた服を着るという動画であり、瞳が見ているのであって、その前に立つ観客(自分)の瞳にもその男女の行為が写っているということになる。
視覚伝達の図式化にも見える。日常というのかもしれない。
一瞬と惑わされるが、生理的な違和感もなく・・・。
新しい感覚?・・どうなんだろう?
青少年の一団が帰ると、会場は急に静まり返えった。
ヨーロッパ系の人が数人と日本人だけになった。
ここでまた判らなくなった。
韓国の人はもう見てしまったのか、常時、一人でも二人でも観客が入場してこないことなど考えられない。
これをたたまたまと言っていいのか、時間はハイヌーン。

今度は地下鉄を乗り継いで昨夜のパーティーで誘われた韓国のTさんの写真展へ。
その前に温泉駅前の評判のクッパ屋で昼食。
カンパーイ。九州ラーメンみたいな豚骨のおじや。美味い。キムチも新しくうまい。道行く人が「あの店がイイ」と薦めただけのことはある。
Tさんが駅まで迎えに来てくれて、Tさんの後をついて行く。
着いたところが教会である。
Tさんは元釜山大学の美術の先生、教会の役員で写真もやるらしい。教会の中にあるギャラリーでミャンマーの写真展である。「自分のギャラリーもあるから見てくれ」と無理やり車に押し込められた。折り重なって7人、2人がオーバー。
釜山大学の坂下にギャラリーはあったが、そのビルのもちぬしでもあった。
Tさんの油彩作品がズラリと並んでいる。
商売や売り込みに熱心な方であることが、にじみでてくる。
 
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夜、白さん御夫婦がホテルまで2台の車で迎えに来てくださった。
人気のホルモン(鉄ちゃん)屋で乾杯。
ここで金さんは仕事の都合で急遽ソウルへ空港へ。
ここのホルモンは上品に美味しいのである。
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夜景を見に行こうということで、またしても海雲台のダイヤモンドブリッジを越える。
映画ブレードランナーを彷彿とさせる近未来都市がパノラマに展開する。
未来都市を抜け山に入る。山の中腹から海雲台が一望出来る。
最近見た長崎の夜景とイイ勝負だ。
ダイヤモンドブリッジがライトアップされてる、というよりはブリッジ全体がCG化されたようにライトが走り回る。

寒くなったので山を下りビーチ通りのカフェの二階からダイヤモンドブリッジを見物。
開けっ放しの窓から波が直ぐ下でダゥバ~ン。
海の匂いが一杯。若者が一杯。海雲台の夜はふけゆく。
何だかディスクジョッキー・・。
釜山KBSの前を何度も通り過ぎる。
夜とは言えグローバル日韓交流展はどうなんだろう?と頭によぎる。

ホテルまで送ってもらう。カムスハムニダ、感謝のご夫妻である。
ホテル の横丁の屋台も店じまい。
そこで男性4人は1003号のNさの室に集合して乾杯となる。
今日行ったビエンナーレや教会のギャラリーの話で盛り上がってお開き。

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翌日もホテルの同じ朝食をとり、荷物を預けチャガルチまでタクシーを飛ばし
各自自由行動。
活気のある市場。原色の仕事着が似合う露店のおばさんたち。
以前にも描いた階段の場所からスケッチ一枚。
 市場の港でスケッチ。
遠洋漁業の漁船から大量の冷凍イカのトロ箱が吐き出され、買い付けの男たちがセリを待っている。
大型漁船の碇泊する岸壁ではおじさん、おばさんたちが釣りをしている。
小魚しか釣れてないけど、たのしそう。晩飯になるのだろう。
 
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昼食はみんなで市場の魚屋へ。乾杯で魚、カニ、寿司、など・・・。
再びタクシーを飛ばす。女性ドライバーだ。愛想がイイ。
ホテルのに着くとすでに迎えと同じく白さんの奥さんと、教え子の女性が待っていた。荷物を車に積んでレッツゴー。
金海空港でお二人からボクらに韓国餠のセットをいただく。そして別れはクールにガッツポーズで。
後は順調我が家へ。動き回った3日間であった。
 
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