クリニックの絵画の時間。
絵を描きながらスマホを見ていたＭ山君が突然「エーッ」と驚嘆な声を上げ、周りはその声にビックリ。「野坂さんが亡くなった」とつぶやく。
その日をこんな形で知るとは思いもしなかった。
ほとんどの人が「その人誰？」というのにも驚くが、テレビから引っ込んでもうずいぶんと経つ。
ちょうどＭ山君はギターを弾く往年のジミー・ヘンドリックスを描いているところであった。（ジミヘンは確か27歳で亡くなってる。）
それと関係なく中年のＭＨ氏が昔話をしながら「”黒の舟歌”って知ってるね？」と隣の女性に訊いてたのも不思議な因縁である。
惜しまれながらも人の死も様々。
野坂昭如さん享年85。
かつて佐賀市民会館でも講演した。
ボクら若者で満員だった。
演台などいらないとその前に出て例の調子でしゃべり始めた。
「ここに来る時タクシーの中で松山何とか（ちはる）の甘っちょろい歌が流れていた」ときりだした。
プロレス、君が代をしゃべり、焼け跡、炭鉱かれこれその後は覚えていないが、ただただ、ボクらを挑発した印象がある。
憎めないオヤジであった。
ゆっくりお休みくださいとは言わない。
あの世でも本音で生きてください。
