100号のキャンバスに大きな顔を描いてみると、不思議に心が落ち着いた。
な~んだこれでよかったんだよな、そう思った------原信之
100号から500号の大作105点。石橋美術館が狭く古く天井低いのが見えてしまう。
ド迫力である。抽象表現主義や日本でいうモノ派に傾倒するも、李禹煥(リーウーハン)的時空間の東洋主義というか東洋思想がぎっしり詰まっている。ミクロとマクロを同時に進行させていく、羊水と宇宙が均衡でありながら、ゆるやかにねじれていく。飽きぬ子供のようにしつこく色を塗り重ねていく。ポロック、J・ジョーンズやD・クーニングとも重なるが、東洋的日本的な顔料のべた塗りでもある。日本と西洋との間で揺れながらも等伯や光琳でもあろうとする。最近は部厚い白のパネルにエアーブラッシュで人の顔を描いている。一つの答えにはなったろうが、そこにとどまる御仁ではない。
「黒い雨」二枚連結 2018 原信之作
2019年の青木繁賞展準大賞作もイイが、(上スケッチ)2018年の顔の作品もいいな。