服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

tomatotiger8.sakura.ne.jp

中村暖くんの「絵画で日本を一つに展展覧会」

中村暖くんの「絵画で日本を一つに展展覧会」を見た。
彼は休みなどを利用して80号のキャンバスを担いで、東日本大震災の被災地を巡り、被災地の人たちといっしょに日の丸を描いてきたという「日の丸」の作品や現地の砂や泥、空の写真、瓦礫の破片に描いた花、赤い糸でつながる糸画などのインスタレーション
その活動に賛同した日本画家の千住博さんも滝のリトグラフ1点を出品している。
初めての展覧会と思うが、17歳のコンセプトがしっかりした展覧会になっている。なんだかたのしい。ということは、うまくいってる。
協賛,後援、学校などの様々な許可を取得することはたいへんだったろうが、そのプロセスもアートだ、としてクリアーしたようだ。
「日の丸」それこそ何十、何百層のレイヤーになっていることだろうが、
ジャスパー・ジョーンズの「AMERICAN FLAG」を想起する。
新聞紙の上にミツバチの蝋・エンコスティックが何層にも塗りこめられるが、新聞紙が透けて見える。
AMERICAN FLAGも環境であり人とのつながりなどがあるのかもしれない。
こんな身近な日々の環境が現代アートの主流の思想だ。
キャンバスから飛び出した勇気ある17歳のアクションはうれしくもあり、
今後に期待。
世代も違う一見異なるように見える開催中の3つの世界が佐賀と云う土壌を出さずとも、ボクの中では円冠となっていく。
個ではなにもなく、一つの鍋で煮込む時、文化という味が生まれる。