服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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ピアノ・ブルース

ピアノ・ブルース」監督 C・イーストウッド監督自身の要望により劇場公開されていない。ブルース生誕100周年を記念して、2003年、M・スコセッシ製作総指揮のもと、音楽を愛する映画監督たちが豪華に集結した話題の企画、“THE BLUES Movie Project”の1本。出演 クリント・イーストウッド  :レイ・チャールズ  :デイヴ・ブルーベック  :ドクター・ジョン  :ジェイ・マクシャン  :マーシャ・ボール  :パイントップ・パーキンス その他。 イーストウッドがピアノを前に彼らの隣りに座りジャズ談義。始終笑顔がこぼれ、歴代のピアノの名手が個性的なテクニックと演奏を披露。ジャズにうといボクとしてはほとんど知らないブルースピアニストばかりだが、老齢の今尚当時を彷彿とさせるパワフルな演奏には、おもわずニンマリと目尻が下がる元気モノ。 あえて正統派ブルース・ピアニストに焦点を絞ることなく、ジャズやR&Bへと裾野を拡げたブルースの懐の深さを感じさせる。ピアニストのだれかが言った。 ”ブルースを誰かがジャズと言いはじめ、垣根をつくりだした、差別しようとしたけど、テンポのゆっくりなのがブルースで、そうでないのがジャズとでもおもっていたさ” 日本で流行したのはジャズのころから。ジャズ喫茶なるものがかしこに現れ、薄暗い店内でコーヒーとタバコ、足でビートをとり悦に入ってた青春群像。実体無き似非文化。カブレ青年たちは今本来の演歌を歌ってご満悦なのである。ブルースピアニストたちでさえ少年のころ、親に「こんな音楽を・・」と叱られている。ましてや、日本人には遠い遠いところ。耳を澄ませば、体内から聞こえてくるような、血肉となって躍動する人間の原初的音質ではあろうが・・。