服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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北川春重展

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北川春重展/武雄市立図書館 49歳で亡くなられて今年で25年。 三年前にも回顧展を見ているが、今回はさらによく見えてきた。 速い筆致、単純化、技術の3要素を駆使した構成を30代で確立されている。 それは、特に水彩に顕著。それだけに驚く。 武雄や佐賀の名所を好んで描かれてあるようだけど、絵はがきで終わらないところが非凡だ。 色んなスタイルの持ち主だけに、その後の展開をもっと見せてもらいたいとおもいつつ・・。作品から鼓動が聞こえてくるようだ。 ボクが北川さんにお会いしたのは、20代後半のころ。 菊水堂画材店で絵画教室をされており、度々会うようなるが、話したことはなく、挨拶するくらいであった。どこか 疲れたような風体、風ぼう,しかし眼光が鋭く、佐賀の美術界には背を向けた唯我独尊とでも言いたげな人であった。 友人のU川君がする喫茶店にたまに見えたらしく、ボクの絵の批評をされてたみたい。 バスの車窓から数回、北川さんが堀端にイーゼルを立て自転車の荷台に絵の具箱を置きキャンバスに堀端風景を写生されてるのを目撃した。 後にそれらは中央画廊での個展で披露された。 当時、北川さんの訃報を聞き、また、その死に様の非業さに我が身を重ねるも、不条理のまま。 作品だけが残っていると言うのも酷なような気がする。そして、穴が空くほど見ようとしている。見えて来るモノは、何んなのか。北川さんのなのか、時代なのか、それとも単独に作品なのか。 北川さんは本物の作家である。 土曜日の午後と言うには、あまりにもお客が少なすぎる。