服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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終わりのないような

S子さんが病院から戻ってきた。「いい天気やろう」「いい天気どころか、暑くて(車に)冷房いれたのよ」と言う。そういえば、数年前、嘉瀬川の河川敷にいて、暑くて、Tシャツ一枚になったことがある。ジプシーキングスが届く。今となっては色あせて聞こえるが、粗野な叫びとギターの泣きは、心にしみる。夜、男もS子さんと定婆ちゃんの様子を見にいく。幼子のように泣きよろこぶ。自分が現在どこにいるのやら、何が起きたのか判らず、マダラではあるものの、元気。男は、じっと「ミナミの帝王」を見続ける。今日は看護婦さんたちが打って変わって、テキパキと愛想良くやさしいのである。皆、人の子なのだ。男はそれを横目に2巻を見破。帰路の道筋は、子供心に似たような人のためによかれをしたような、終わりのない汽車に乗ったようなはてしない夜道の感覚。