新宿
ホテルのカーテンを開けると、ウソのようにいい天気で正面の山と山の間に真白き雪をかぶった富士山がくっきりと見えるではないか。キャッチコピーに偽りはなかった。富士山をスケッチ。帰りは新宿周りにして小田急に乗った。新宿西口の通称・小便横町へなつかしくサバ焼き定食を食いにいくが、昼とあって、どこもぎゅうぎゅう積め。シャッターの下りた店も多い。この雰囲気を好む人たちが途絶えることはなかろうが、時代は変わっていくようだ。結局、普通の食堂で普通にサバ焼きを食った。当時の赤テントの花園神社に寄る、骨とう市やってたが、客もまばらで突風に早くも店終いしている。世界堂で豊富な画材を見るも、買うまでもない。時代は迅速に便利になったものだ。いずこの街もタバコが吸えない。喫茶店も少ない。あっても禁煙の喫茶店だ。東口の風月堂あたりの「喫茶タイム」に入った。もうもうと煙がしてた。往時を偲ばせる内装に爺ちゃんと婆ちゃんがコーヒーを入れ、その子供と孫が給仕をしているような、年期の入った茶店。随分と流行っているようだが、当時は知らなかったな。ほとんどが競馬新聞とにらめっこの男たちである。今は赤鉛筆じゃなくボールペンだけど、この光景はなつかしい。近くには場外馬券場があるんだった。当時、ダービーでなけなしの金で特拳一枚買った。1-6の当たり。¥36.000円。新宿は今日も人が繰り出し、ほこ天でも大道芸やペルーの音楽をやったりと活気に満ちて見えはするが、どこか空々しく、ボクがいた昔より元気なくく寂れていくようた。
夜、知らせを受け、Yちゃんの奥さんに電話で聞くが、大事にはいたらなかったもよう。