服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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函館

 札幌から函館まで電車で3時間。  北欧の風景からいつしか電車は太平洋側に出た。左手に何もない広い海。右手に紅葉の山とサラブレッドの牧場。勉学不信や人間不信になった若者なら一度は来てみたいとおもいそうな懐の深さだ。長万部で名物の蟹弁当を買う。量は足りなかったが、評判通りに美味だ。 3時間は長いようでも短かかった。終着駅函館である。駅を出ると探すまでもなく目の前にホテルは見つかった。ホテルの窓から近代的な駅舎と函館港が見えるが、まるでプラモデルキットで組み立てたような要塞の町。 40年前の暗い函館とはすっかり変わって近代的な町になってる。それは当然のこと。♪はるばる来たぜ函館ーなんて歌が流行ってた頃だし・・、今更ながらに時の流れは驚きよりもくやしい限り。歓楽街の大門はさびれ、今じゃ五稜郭の本町が人気だとか。大門横丁の炉端焼き屋に入る。真たい(タラの白子)やイカイカミソ煮で酒が進クンであった。そしてここでも「申し訳ありませんが時間ですので・・」と来た。外に出たとたん店の明かりが消えた。雨は止んでたが、函館の夜は寒い。函館駅でTさんらと別れる。駅舎のベンチには青森から来る札幌行きの夜行列車を待つ人たち20人程が寝て待っているのだった。そう言えば「道内に早期新幹線実現を!」の看板を町で見かけた。本州を「内地」とつい口走る人もいらっしゃる。鉄路も空路もあるけれど津軽海峡のきびしさは、”~我泣きぬれて蟹と戯れ”なのか・・。