服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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舟一朝 石積みのオマージュ

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「舟一朝 石積みの風景」(9/8~9/19 Gイバにて)を見る。前回はSM以下の小さな作品だったが、今回は大作(150僉380僉砲画廊壁面を覆うている。オレンジ主体の画面に石ころみたいな集積が覗く。白や黒がランダムにあることで鮮烈なオレンジが錆びや岩肌の剥離にも見え、過ぎ去っていく時間のようだ。一種、墳墓の洞穴に入ったような雰囲気と空間である。 G・イバが瞬間,ほこらに変えられる。ここ数年韓国、済州島の海岸や峠などに立つ道祖神的な”石積み”をテーマに発表されている。旅の中でたまたま遭遇した石積みに作者は惹かれたようだ。創造物でもない人と自然のかかわりの中から生まれてきたアミニズムな石積み。アートと石積みに違いがあるなら「何なのだろう・・」という問いも背後にあるようだ。画廊に立つ二本の柱も作品のオレンジの布で完全に覆われ、作品として新たに設置されているかのごとくで、壁面の作品と呼応する。普通、画廊というのは壁面の作品を見れば言いものであると同時に鑑賞者の立つ、移動する空間があるものでるが、ここでは、見ると同時に洞穴にでもいるような空間自体を感じさせられる。舟さんが造形作家である所以であり、仕掛けられたものでもない。この画廊、以前は住居であったため、頑丈な神棚がしつけられており、そのまま残されているのだが、その神棚にも作品が供えてあるというのか、展示されてる。石積みはまた、作者の線の集積でもある。石ころを形どるような黒い線がスピーディーに繰り返され、集積を成しているのだが、念仏のようにおぞましい。般若心経である。


「自分が今日も在るために、創り、発表している」との舟さんのお言葉であった。現代絵画を自分なりに見て(読んで)いくのは頭の健康にイイ。 <ギャラリーイバで19日日曜日まで>