服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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塚本猪一郎個展

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イメージ 2「塚本猪一郎個展(久光ギャラリー)」
作者はこつこつと自分の絵画を突き進んでいる。
特別変わったということもないのだが、大小の作品が物体化していくようだ。物体となるぎりぎりのとこまで来てしまっているのか。
物体である現実と表現物との境界がなくなることはないはずであるが、
そこにM・デュシャンのレディ・メイドの概念もあるようだ。
紙、キャンバスとは描く上で便利な道具である。
鉛筆も筆も絵具も使い慣れた道具である。
それらがなかったとしら・・塚本さんの作品のようになるやも知れない。
そこいらにあるものはなんでも使うだろう。
古代を見れば解かることではあるが、現代人が自由な道具を手に入れようとするとき、コンピューターもあろうが、原初的な道具以前のものであるかも知れないとおもう。
元々、繊細さよりは骨太の大胆な画面であったのだが、内部までも物質化し現代という時間の中に放り込まれたモノリスのようである。
白い壁が風化して黒い内部が露出するのか、その逆もあれば、ただ汚される工事現場の資材置き場。
セメントや石灰の上に炭や木炭を引きずったような炭の痕跡は、たくましく子供だ。塚本猪一郎の黒。