服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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マン・レイのレイ

イメージ 1ほどほどにオルセーを切り上げ、行列を横目にお目当ての別室にて開催の「マン・レイ展」に入る。
当然並ぶ必要もない。見るにはちょうどいいしずかな人並み。
オルセーが高齢者ならこちらは100%若い人たちである。
ゆっくりじっくり見られた。絵画、デッサン、オブジェ、それに膨大な写真群のマンレイの世界を覗くのは、わくわくとスリリング。
男と女の繋がりをチェスでもするように不思議がってる。
「・・カリフォルニア時代のマン・レイにとって最も重要な主題はジュリエットで、愛情、情熱、そしてやさしいユーモアをもって、彼女をスケッチし写真に撮った。・・」とあって、「磁場の今回のテーマにも通じているよな」と思ったり。
マン・レイの思想が現代芸術のあらゆるジャンルにいかに浸透しているかが、逆に見えてくるのであった。
マン・レイのレイ(光線、眼差し)は現代を透視する。


夜、渋谷へと出た。かつてのKさんの行きつけ、NHKそばの料理屋へ。
まだ客も我々だけ、そこで二枚目の店長は語り始めた「8月で辞めます。地方への転勤を断ったら、あなたの仕事はありませんといわれたもので・・、」
「福岡で土建屋をやってた親父の仕事を継ぐつもりでしたが、倒産したので東京で頑張れと言われ・・」
20年やって芽の出なかった役者時代のこと、そして現在、二人の子供が役者志望の渦中にあることなどを、ぽつりぽつりと・・。
人生のドラマをもっていない人などだれもいないよね。
いつしか冷酒が五臓六腑にしみわたり、久しくふらふらに酔っぱらっちゃった。
大丈夫と言うのに、Kさんは遠回りして上野まで送ってくれた。
ありがとうございました。