服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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近代美術館フィルムセンター

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大井町駅前の品川区民会館にS子さんを案内する。
「全国子供民謡大会」に知り合いが出演するというのである。
きんきら声の子供たちの精一杯のパフォーマンスである。
ボクは娘たちと合流すべく浅草に向かったが、初詣並のごとく人の多さにうんざり、引き返すことにした。スカイツリーもそばに見え、再び観光客が増えたのだろう。金とん雲が見えるAビールの川向こうまで人の波。歩けたものではない。
京橋の近代美術館フィルムセンター辺りは閑散としている。
「生誕百年・映画監督 黒澤明」をフィルムセンター見にきたのだが、
館内は人でぎっしり。上映されるポルトガル映画の待ち客であった。
エレべーターで7階の黒澤展に行く。
発掘された戦前の無声映画がモニターに上映され、鉄の塊のような古い撮影カメラがたくさん展示しえある。正しく活動屋である。
伊藤大輔監督「忠治旅日記」(日活大将軍、1927「昭2」年、無声映画)には圧倒された。すでにエイジェンシュタインというか黒澤バリの活動が存在していたのである。解説するよりは見るが早い。
小津安二郎監督「和製喧嘩友達」(松竹蒲田、1929「昭4」年 無声)もあり、また、トーキーになってからの伊藤大輔丹下左膳 第一編」(日活太秦、1933「昭8」年)には喜劇風なユーモアがありたのしい。
一丸となってモノづくりをして大衆をよろこばそうとする活動屋の飽くなき遊び心が伝わってくる。
そして黒澤さんのシナリオや推敲、絵コンテ、画材道具らを見て、屋上の喫煙所へ、だれもいない。見えるのは隣のビルと青い空だけである。
ここで合流した娘たちも語気を強めて「よかった」という。
穴場である。もう一度来ようと思う。