服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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警察日記

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続いて、思い出してはたまに見ている録画の
「警察日記」久松静児監督1955年製作を見る。
脚本が佐賀県唐津市北波多出身の井手俊郎さんである。
警察日記は子供のころ夏休みに小学校の講堂で見たおぼえがある。
大物俳優のオンパレード。
若いおまわりさん役で穴戸錠さんもデビューを飾っている。
舞台は昭和25年ごろの会津磐梯山の麓の小さな町。
脚本が井手さんだけに佐賀に置き換えて見てもイイ。といより日本中に似たような町なり村があったはず。
オールロケで撮られており、やはり風景として人情地として会津磐梯山が必要だったのだろう。
貧しさゆえのコソ泥、かっぱらい、無銭飲食、口べらし。
もろ、ボクが子供の頃の風景であり状況である。
政治家や役人は威張り腐っているが、ここのおまわりさんたちは、人情味熱く頼りになる。人助け、人生相談が主たる仕事である。
窃盗犯を悟、放免しようと努力しポケットマネーまで与える。
罪を憎んで人を憎まず、イイ時代と言うか、実際そんな空気は子供ながらに感じる。コワイけど頼れた。そうでもなければ、戦争によって貧しくされた人々は、どうすりゃいいんだ。そこを取り繕っていたのが、おまわりさんたちであったということができるのかも。
そして、また気づくのだが、たくさんの出来事が挿入され一つの町の人々として物語になっている。役者もうまいが、脚本もイイ。
その一つ一つの挿入部分だけをとっても一本の映画になるという贅沢にもむずかしい脚本である。
現にこの「警察日記」から、部分部分を拝借したというに見える映画が五本はある。
その逆は考えられない。
親に捨てられた姉弟の赤ん坊と幼児を人のイイおまわりさん(森繁久彌)が抱っこと手を引き、とぼとぼと、どこか預かってくれるところはないかと、歩きまわる。乳飲み子を連れて歩くおまわりさん、三つの影が会津磐梯山の風景に溶け込む。あの時代ならではのイタリア映画にも共通するシュール。
その幼児役の二木てるみさんが、抜群の演技をする。ここに天才児現るの由縁があるのだろう。
気は優しくて力持ち。弱き者、小さき者へのおもいやり。暴れん坊でも冷酷者にもそれぐらいは普通にあった。
ジョズエジョズエ」はライフ・イズ・ビューティフル
会津磐梯山猪苗代湖は元気福島!!