服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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真夏の「火花」

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S子さんがコンビニへ行くという。
何を?
コーヒーを。
家にあるじゃない。
コンビニのが好き。
そう云うと、しばらくして戻って来た。
そして読んでみたらと本をボクの顔に差し出した。
拒んでいたわけじゃないけど、不意打ちを食らったような・・。
文芸春秋である。
又吉くんの火花か。
1時間ぐらいで読んでしまうんじゃないの。
うん・・。
2時間かかった。
文章を書くのが快感というような本書である。
青春のあがきをボケと突っ込みという漫才の狭い構図から出ることなく
拡大して見せている。
金銭欲、有名欲、異性欲の中にいながら作者は伏し目がちに4つ年上の師匠と対極の欲を見い出そうとする。
太宰というよりは織田作之助ではないか。
いつの時代でも青春は美しくもあり残酷でもあるが、そのどちらでもないところに着地しようとする又吉くんであります。

さてこちらも催促させられている日韓交流展の挨拶文を書かなきゃならない。
毎年、お決まりの内容なら書かずに等しく、短いながらもむずかしい。
文章の善し悪しでないことは確か。
今という現実を現実的にも逆説的(パラドックス)にもさらりと言いたいのだけれども・・。