服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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レイ・キネイン写真展

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「AKA-red レイ・キネイン写真展」を美術館に見に行った。会場にはお客さんがいて、レイさんはいなかった。受付の上品な女性の方が「食事にいってますが、呼びましょうか・・」と。受付のその方はレイさんの奥さんだった。オーストラリア出身のレイさんは佐賀大学の英語の先生であるが、ほとんど日本語は話されない。困ると「タカコ・・タカコ」と通訳の奥さんが頼りのようだ。 2年前のボクの個展にもカメラを持って来られ、トロンプルイユの絵がおもしろかったのか、その写真を撮って、後で送ってくださった。元々メルボルンで写真家として活動されていたようだが、ご当地では初めての個展とのこと。 AKA-red が今回のテーマになっている。 ”西洋では赤は「危険」や「警告」の色ですが、日本では「福」を表し、昔から病魔や厄よけとして使われています。赤は七五三、結婚式、お宮参り、還暦等日本人の人生の節目のお祝の場面に使われるだけでなく、日常生活のさまざまな場面でひろく見られます。本写真展では、赤のある日本の日常の風景を集めてみました。”(プログラムより)。とあるように佐賀を中心に札幌、函館、東京、大阪、京都、名古屋、道後温泉、山口、福岡、長崎の人々の服や着物、看板、商品、遊具などを鮮やかに活写した(30僉40僉39枚の作品である。それが日の丸の赤に由来しているのでは・・と大きな日の丸も壁に下げてあった。モデルとなった赤い番傘、ペコちゃん人形、自転車・手まり、草履なども置いてあって、退屈させないたのしい会場になっている。日の丸の下にはパソコンが置いてあり展示作品以外の写真を見られるようにしてあり、またそこに流れるジャズが意外にも写真と合うのだ。焦点こそ赤に絞ってあるけど、一枚一枚の写真は気負いなく普通に撮ってあり親しみ深く、作者の懐の深さがうかがえる。以前、拙宅に滞在したオーストラリアのアンドリューは日本の看板の英語の使い方がおかしい、おもしろいと、レストランや商店の看板に向ってシャッターを切っていた。文化というものは、異文化であればあるほど違いは明らかで、驚かされ、興味尽きないものであろう。テーマを置いてあるだけに見る側には見易く、作者には愉快で意義ある展覧会ではなかったろうか。