服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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頑固おやじとおひとよし

「歩く、人」監督:小林政広。毎日、男は遠い雪道を歩いて水産試験場の「関係者以外立ち入り禁止」もおかまいなく成長する鮭の稚魚に会いにいくのであった。それさえ決まれば後は何をくっつけても映画になる。ここでは北海道の増毛に住む頑固おやじと息子たちの何処にでもある上手くいかない親子関係をくっつけてある。歩く、走るは健康面だけじゃなく、ムービーの基本だね。


「フライ・ダディ」監督:チェ・ジヨンテ、韓国。飛べよ、おっちゃん、オヤジ版ベストキッドといったところか。娘を校長の息子に暴行されたが、何もできない気弱なサラリーマンの父親。高校生のワルが師匠となり、気弱な中年サラリーマンを闘う男に改造していく。やがて太っていたオヤジは筋骨隆々の体となり、娘の仇打ちを果たすのであった。高校生が師匠になり、また目上の大人に命令するなど儒教に反すると見えるのだが、ラスト、高校生の師匠はオヤジさんにに頭を下げて言う「ダディ、コマスミダ」と・・ハッピーエンド。単純明快な娯楽映画でたのしめる。しかし、子供をおもう心は強いけど、現実は映画の主人公のように自信なげではないのか。長いものに巻かれ、金で片付けられたり、どうでもイイ法律に従わされたり、大人のように演じているだけで、現実では決して大人らしくないと泣いているのが普通の「フライ・ダディ」ではないの。重いテーマを娯楽コメディーにしたところが上手い。