服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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ドキュメンタリー

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イメージ 2NHKBS世界のドキュメンタリー「グリーン~森を追われたオランウータン~」(制作フランス2009年)を見ていた。
インドネシアではパーム油製造のため、森林の伐採が進んでいる
運よく保護されたひん死のオランウータンのグリーンは施設のベッドで仰向けに点滴を受けている。人のようであどけないが、目はうつろで生気はない。
ブルドーザー、トラック、チェーンソーがうなり、森林の巨木がばたばたと伐り倒されていく。
パーム油やオーク材を消費する現代社会。
手当ての甲斐なくく、やがてグリーンくんは死んでしまう。
そして♪欲しいものを買いたいから働くの・・、もっと買いたいの~♪と・と現代社会を皮肉くるような女性シンガーの歌が流れた。
(その歌詞だけはNHKで邦訳されたとおもうが、ナレーションもインタビューも無い映像と音だけの斬新な演出。


かつてテレビの「やらせ」が問題になっていたころ、
「ドキュメンタリーと言っても・・、真実ではない」と
ドキュメンタリー映画監督の原一男さんがテレビのインタビューに答えていた。「カメラを向ける時点ですでに撮る側の意思があるわけですから・・」と。
今朝のS新聞にもイルカ漁で物議をかもした映画「ザ・コーヴ」についても
原監督が書いていらした。
上映反対運動の影響で上映が中止されるなど「たぶん、日本人の中にはずっと、暴力や、暴力をちらつかせる権力に対して弱い性質がある」と前置きして「ザ・コーヴという作品は、他の人も言ってることだが、ドキュメンタリーではなく、よくできた娯楽映画、プロパガンダ映画だと思う」そして
「いずれにせよ、まず映画は見てから批判すればいいのだ。」と結んであった。
ボクが原文を読んでいるにせよ、こうして抜粋するにしてもボクの切り取り方があるわけで、似たような問題が派生する。
本当は全文を載せるべきであるろうが、そうもできない。
引用は要点や要旨かも知れないが、あくまで部分であり、全体のニュアンスが欠如したりと誤解を招いたり、著作権にもかかわる問題へと発展することもしばしば。
ドキュメンタリーにしても文章にしても同じような性格を持つものである。
表現の自由」も先々きびしいものである。
このようにインターネットで自由自在に情報を入手できる現代。
マナーは何も守ってはくれまい。
情報や規制や法律にがんじがらめになりそう。それでも生きていく人間。
地獄極楽。
森の住人・オランウータンを横目に。