服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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松原由佳Autume2010 展

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やっと「松原由佳Autume2010」を見にいく事が出来た。
柳町郵便局には大作S100号が展示されていたが、この郵便局にはぴたりとおさまっていた。
菊水堂会場はまるで「由佳の部屋」といったところ。
人形、ハガキ絵から40号までが床、壁、柱、テーブルに所狭しと並べてある。大量な松原ワールドである。
このごちゃごちゃ感がこの人の作品には似あっており、楽しい。
山田詠美の本が好きで、その辺りからの精神の表装であろうが、
ねっとりと唇、眼、蝶、香水の瓶、手、などが散乱するひん死すれすれのすさまじい作品である。
ゴッホの緻密さとポロックのドロッピング、アクションが混在する比類な作家である。
ドク毒とおどろおどろしい裡から迫って来る血のようなものが、絵の骨格を成しているとも言える。
松原さんの作品は東西の作品と比べても判断の基準にまどわされる。
基準がないのだ。ひょっとして、はるか遠いところを行っているとしたら、とさえ思えてくる。
その強い個性にはそこらのアーティストも及ばない。
金銭的な負担を考慮ての2会場の同時展ではあっても、何に媚びへつらうでもなくすばらしい。
水面下での評判やプロの評価は前々から高いものがある。
だけに女一人一途に己の理想と現実の虚構と取り組む姿・個展を多くの人に見て欲しいのであります。