夜、満月を背に集合場所へと自転車で行く。 神社の小川にさしかかったところ、川の中央で何かが激しく暴れている。 街の灯りを頼りに目を凝らすと、アオサギである。 交尾をしようとしているのか・・、判らない。 二羽は羽を広げ、奇妙な声を発して、プロレスのようにもみ合う。 相手の羽の関節を噛み、はがい締めのように頭を水中に抑え込んでいる。 いじめである。いや鳥殺だ。 ボクは大きな声を出すが、逃げようともしない。鳥目なのか。それどころでないのか・・。 そういえば、かつてカチガラスがもつれ、争っていた。周りが見えないのである。一羽は羽がぼろぼろにひん死の重傷で逃げてはいたが・・。 いじめなのか、発情なのか、恋なのか。 長い首が蛇のようにくねる。 声に気付いたのか、アオサギはボクの方を見る。まるでシマ蛇の目だ。 まだ押さえつけている。 これ以上は耐えられない。悪夢である。 ハラテツさんが亡くなられて10年。 焼き鳥屋のカウンターに座り、偲ぶ男四人はぴんぴん。 だいこん、こんにゃく、すじ、タン、レバ、皮、バラなどをビール、日本酒、焼酎で胃袋へ流し込む。 見ればカウンターはぎっしり、どう譲り合っても余地はない。 |