服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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佐賀北の夏

今年の甲子園は大差で日大三高が全国制覇した。
そんなころ本屋に平積みされていた新潮文庫、中村計著「佐賀北の夏」\480を買う。
東京の友人がいうには東京の本屋でも山積みされていると。
平成20年に刊行されているが見るのは今回がはじめて。
プロローグ
世界中の時間が止まったかに思われた。
2007年8月22日、午後三時六分ー。
時間を与えられたのは、佐賀県佐賀北高の副島浩史(三年)の黒い金属バットから弾かれ、阪神甲子園球場の空に高々と舞い上がった白い小さな一点だけ。~
と始まり、一気に読ます。
入念に広範囲の取材が時間を掛けてなされていおり、敵味方の監督、選手の赤裸々な声が当時へさかのぼり語られる。
ボクもあの日あの出来事を幸運にも目撃した。
突如球場全体から大歓声上がった。一体何が起こったかと空を見ると小さな白球がすーっと目の前を通り過ぎて行った。
夜空の人工衛星を見ていたような無音の瞬間でもあった。
続いて、耳鳴りが治ったようにスタンドは大歓声に沸き、観客は言葉にならない言葉を叫びながら目を潤ませてハグしてた。
球場を出ると市丸くんのおとうさんと会い、優勝を讃えありがとうと言った。
駅の食堂で皆さんと缶ビールで祝杯をあげ、その後一人コンコースに座りこんで雑踏の街を見ていた。そこへ電話が、金子剛さんであった。
「あめでとう・・」と。
この本を読みながらいろんなことがよみがえって来る。
ビデオでも何度も見ているのだが、映像がさらに膨らみドキュメントか、映画を見ているよでもあった。
たとえば、「許されざる者」のクレジットが流れる中、作者のエピローグが
やさしく語られ、解説の青木健太氏が中村計の人柄を北高に見たて、おおらかに佐賀北は勝つべくして勝った・・その資格が十分にあったと、15年に及ぶ百﨑監督自信の日記と選手との交換日誌をショウシャンクの空に解放するのであった。