長い階段をゆっくりゆっくり途中休憩したりして上り、清水の滝に着く。
いつもそうだが、誰もいない。ところが、脱衣小屋のカーテンが開き中年の男性が現れ出たのにはびっくりした。
男性は再び滝に向かい手を合わせお経を唱え風のように去っていった。
帰りは階段じゃなくなだらかな近道を下ると幼児を連れた二組の家族と挨拶を交わしすれ違う。来る人往く人、滝が人を呼ぶのか、何かしらの記憶が人を向かわせるのか。
こんな身近に美しく起伏に富んだダイナミズムな霊場があるとはうれしいね。
昨年の今ごろだったか、グループ展の人たちと鯉料理を食べにここに来ている。
最初に来たのは小学生低学年のころ、滝行をする祖母について来た。
おばあさんは腰巻一枚で滝にかかり手を合わせお経をあげていた。
他にも滝行をする数人の女性がいた。
ボクはただ見ていた。
帰り道バスの中で「どよう うしの日」とおばあさんが言った言葉を意味も分からず
ずっと憶えている。
小学校の遠足でも来た。その後何度となく訪れている。
高校3年のとき友だち(KT)と授業さぼって自転車で清水まで来た。
友が言うには新聞に山口大医学部の空手部の学生さんたちが清水で合宿していると書いてあったというのであった。
運よく、滝に打たれ空手の訓練をしているところであった。
見物人が二人いることで空手マンたちも張り切って見えた。
やせ型で髪の長い眼鏡の空手マンが一際目立っていた。
ボクらは合宿所の実相院まで同行し色んな話をした。
クールなロン毛の学生さんと話していて山口大医学部へ行きたくなった。
学校へもどり何食わぬ顔で授業を受けた。
清水のお宮から小城を見る。空と陸が混じり合っている。
社で子供と男性がテレビゲームをしていた。ここの宮司親子のようだが?