服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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大町町・松下四郎さん

ふと懐かしく大町町を散策した。
大町駅前から上り坂を上ると白亜の大町公民館がある。
昔、画家の(故)松下四郎さんに大町を案内してもらったことがある。「ここが五坑、あそこはマーケットが並び、そこで画家の(故)吉田西緡さんと出会ってね、絵を描き始めることになった。あそこには大衆風呂があって・・」と突然「まだあった」と松下さん足早には坂道の家に入った。一杯飲み屋であった女将さんがビールを開けて昔話。有工高でデザインをしているという娘さんも出た来てきて飲むわ飲む!鹿児島出身の松下さんだが、若いころは大町町にあった杵島炭坑に勤務しノンプロの野球選手でもあった。それが吉田西緡さんの運命的出会いから画家になられた。大町公民館の二階の階段踊り場に寄贈された松下さんの杵島炭坑(F30ぐらい)の絵が飾ってある。「松下さんはやはりここ大町に生きている」とうれしくなった。今となっては杵島炭坑があったなど、その活気のあったころの炭鉱風景を知る人も少なかろう。大町にとっても貴重な素晴らしい絵である。街を歩いても商店もまばら、杵島炭坑があったころの痕跡を探すがなかなか見つけられない。マーケットの跡、炭住の後らしい一角がかすかに当時を偲ばせる。大町町商店街の裏山・杉林の中を長い石階段が続く山城跡に福母八幡宮がある。2018年2021年の水害では八幡宮お階段の下まで水が来て、ほぼ駅から国道、商店街が浸水している。そう言えばあちこちの家がなくなった跡が枯草の空き地となっている。新築しているところもあれば、ここを去っていく人たちもいらっしゃるようだ。
松下さんとはアジア美術展交流でも台湾へご一緒した。元々松下さんは青春時代を台湾で過ごされ、台湾の友だちも多く、佐賀ん街のように夜の街を案内してもらった。
「今度生まれてきたら野球はせずに真っすぐに絵を描くよ」と
ちゃめっけないつもの口調で云われた。
写真は松下四郎さん油彩画「杵島炭坑」と水彩SM「福母八幡宮階段」と水彩SM「夫婦に見える杉」

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 精巧な「杵島炭坑風景」F30(ぐらい)

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 福母八幡宮 SM

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 福母八幡宮Ⅱ SM