Tクリニックの絵画教室。オランジュリー美術館にあるモネの大作「朝」の部分6枚目をかいました。
モネが睡蓮の池を描く。ジャポニズムであろうが、日本庭園まで作って描いて描いて描きまくっている。それだけ売れに売れまくったということでもある。かと言ってこの人もここに落ち着くまでには家族を連れて各地を転々とする、ご多分に漏れず売れなく貧しい時代は長かったのである。
ところでスティーブン・キングは故郷から離れることなく故郷で次々に小説を生み出すという特異な作家である。映画のほとんどがS・キングである。シャイニング、スタンドバイミー、ショーシャンクンの空へ、などなど。
松本清張も当初は部屋にいるだけで、地図と列車ダイヤを眺めていれば、その場所の風景や地形まで見えてくると言ってた頃があったが、後にはどこでもかんでも動き回っていらっしゃる。
棟方志功にしても後は奥さんとの世界旅行である。
アンドリュー・ワイエスもペンシルベニアから離れず、そこに住む移民の人たちをペンシルベニアの風景に中に捉え続けた。
表現主義、ポップアート全盛のころそんな、美術状況などには気にもしないようにペンシルベニアという限られた地域を執拗に見ているだけに思えるのだが、そうではない。移民の人々を通し世界が見えていたのであるに違いない。
その作家がそこから全く出なかったかどうか、流れ流れたかということでもなく、世界が見えていたか!、今だ世界が見えていない!ということではないでしょうか。
2013年の映画「オブリビオン」トム・クルーズ。
地球はエイリアンに破壊され人類は別の星に脱出している。定期的に破壊された地球を監視に来るのがトム・クルーズ。
ラスト、地球に緑の森と泉があった。トム・クルーズ。はその家を住処とするようであるが、その小屋の壁に飾ってあったのが、A・ワイエスの「クリスティーナの世界」。ちょっと漫画のような結末に近未来やAIの女性などが吹き飛んでしまう。前半の破壊された地球があっての「クリスティーナの世界」なんだろうけど?実は「クリスティーナの世界」が先にあっての映画作りではなかったか?と思うんであるが?!
このワイエスの「クリスティーナの世界」。丘の上の家を見つめ草原にくつろぐようなクリスティーナの後ろ姿からは想像もできないですが、実はクリスティーナは下半身が麻痺しており、両手で体を支え移動するという筋肉疾患を患った実在の人でした。そこが、またワイエスのすごいところでもあるのですが、映画オルビリオンをはるかに超えるパラドックスがあったのです。
モネ「朝」の部分6枚目 模写 クレパス
A・ワイエス「クリスティーナの世界」1948年 (81.9㎝×121.3㎝ テンペラ)