服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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鷹の目

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漁港から田んぼに来たら雨が降ってきた。麦畑と耕された畑が雨に濡れる。三寒四温。カセットのアボリジニ音楽が今日は似合う。見なくても、想像しても部屋にいても、絵は描けるのだが、それでは、おもしろくない。「~ビロードのようにやさしくカメラを持ち、鷹の目でシャッターを切る~」。カルチェラ・ブレッソンである。ただじっと待つ。濃く重い土と緑の田んぼの向こうは鉛色の雲。なのにピーンと秩序立った空間。ヒバリがそばの畦に下りてきた。もう一匹下りてきた。じゃれ合って、麦畑へ飛んでった。巣作りが待ち遠しい麦踏みのころ。一羽の白鷺が優美に田んぼの中央に下りてきた。一点の白で風景がさらにビンと緊迫する。光と影の風景にちがいはあっても、風景の質量は地球上、どこであっても変わらないもの、とおもう。ブレッソンの「ただ待つ」もそれを言っているのかも知れないな。