服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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石本秀雄展

「石本秀雄展」県美術館人物、家族と晩年の桜島の作品が並ぶ。石本(先生)さんの強引な造けい美学が、今回は大人しくまた、違和感を残照とした。時代を超えて普遍でなければならないものが、「あれっ」とズレをもった。何故にと考えるとキリがない。当時、石本イズムとまで言われ、佐賀の美術界はよしにあしきに元気だった。それを引き継ぎ活動されている多くの師弟がいらっしゃる。後々は、ボクも酒席に限ってぞっこんにしていただいたのだが、口角あわの端々に焦燥や葛藤、ふがいなさ、寄る辺なさがにじんでおられた。あれだけの方があの年齢でも無になる前の焦燥感においかけられていた、のではなかろうかとおもえてきたのであった。「道半ば」とはよき聞くが、いつまで経ってもそうなのかも知れない。一人の人間のどこを切り取るかで、その見え方も変わってくる。一貫して金太郎アメの人もあろうし、不連続に波打つ人、尚進化していくケースもある。そう見えたと言うことは、自分がある年齢に入ったということを暗に示しているのかも知れないし。戦後の佐賀美術を元気にし、かつ外へひろめた人として記憶に新しい。くしくも、同時に開催されていた3つの展覧会に現代の流れと佐賀大の流れがリンクしており佐賀という風土の円冠になった。