服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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青春のロシア・アヴァンギャルド

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汐留の33階からウォーターフロントされた東京湾にレインボウブリッジ、フジテレビなど、超近代的な景色が広がる。直ぐ下には築地市場が見え、その水路を白い遊覧船が行き交う。たまにはこう言う景色もイイだろう。また汐留の超高層ビル群は近未来都市。マトリックスの内部のようで実に建築物はデザインとイイすごいものがある。新橋から電車で「青春のロシア・アヴァンギャルド」を見ようと渋谷へ向かう。ハチ公前交差点がスクランブルではなくなってる。御行儀よく横断歩道をわたるのである。 109を曲がればBunkamuraザ・ミュージアム。前回は見られなかったので、念願かなった。最初にカンジンスキーの4号ぐらいの風景画がかかっていた。各コナーの監視員も席からたち警備員並に観客を監視している。こんなの初めて。作品自体見えやすく、または接近して見ることが出来、イイのだが、監視員が気になってしょうがない。この裏には何があるのだろうとろ思いめぐらすが判らない。 1900年代初頭、ヨーロッパの影響を受けながらも独自の道を歩き始める、ロシア絵画。人や動物を看板や挿絵風に表現するピロスマニはルソーを彷彿とさせられる。それとして見過ごしてしまいそうな現代感が気になるところ。やはり、今回の展覧会では、マレーヴィッジだろう。立体未来派とも言われ、農民を多く描いているのだが、キュービックに傾倒しながらも、ある日突然のように農民が鎧を付けたロボットになる。今回の目玉とも言える農民3部作は、「思想」が生まれた瞬間を見ることができる。キュービックを下敷きにはしたのだろうが、新しい考え、概念が生まれた瞬間の絵だと小生にはみえてくるのであった。こう言った出会いは滅多にあるものではない。以前、モンドリアンの風景画の雲にそれが見えた。そのごモンドリアンも一連の「ブロードウェイ・ブギウギ」を生んだのである。マレーヴィッジを「農夫」「農婦」を見ていると、現代美術、コンテンポラリーアートの全てが見てとれる。ダイナミズムな強烈な思想である。美術館を出ると円形テラスのカフェがあって、その上だけに空が見えるのである。陽は射すけれど、ビル内の冷気が流れ出るのだろうが、涼しいのである。マレーヴィッチ様様である。