服部大次郎の日々雑感2024⇦2006

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接近接触不可

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監視員の女性たちもよそに比べておおらか、「ホントに描いてあるのか」とついつい作品をさわる人がいても、飛んできて注意はしない。展示自体が「触ってもイイですよ」と言わんばかりである。
アントニオ・ロペスさんにしても、そんなこと気にしていないはず。
おりこうさんに額縁に収まっている絵ではない。時間と人が関わることで日々クオリティーが増殖するというような、正しく新しい概念であり現代の絵画なのである。
息がかかったり、くしゃみが飛んだり手垢がつこうと、その程度でくたびれる絵画でもないのである。
学芸委員さんも中学生に言ってた「接近してよーく画面を見てください。何か気づくとはないですか・・」と。
作業現場の諸々の痕跡が無造作に落し物のように残っているのである。
印象派から現代美術の今日までが正しくそうで、きちんと整い正装した絵画から離別、あるいは脱出してきたのである。
それをロペスは写実絵画の中ににじみ出るテーストとして昇華しており、ポロックに一番近いと思うのである。